Good old fashioned lover boy
第11章 懐かしのラヴァーボーイ
その出来事があってからこのお店で働き始めたということだった。
最初の頃は慣れないことばかりで失敗をしたりもしたが徐々にこの仕事に馴染んで私は働き始めて1ヶ月ほど経った。
こうしてマジシャン以外の仕事をするのは、親元を離れて一人暮らしを始めた16の時に当時借りていたアパートメントの近くにあったリストランテで働いた以来だ。
マードレは優しさで溢れててパードレの方は、仕事中は厳しい指摘を多々あるけどそれも私を思っての行為なので私にとっては両親と同じくらい大切な人だ。
以前お客さんから聞いた話で、元々マードレは舞台女優をやっていたのだがとある劇場の支配人に気に入られて愛人になるよう脅迫をかけられたことがあり、女優をやめて流れついた先で祖父の代からある花屋で働いていたパードレと恋に落ちて現在に至るという話を聞いたことがあった。
出会ったあの時に他の女性とは一線違う美しさがあると感じていたがまさかその答えがこうして聞けるなんて思いもよらなかった。
それから、私はこの際に前の自分とけじめをつける意味で今まで伸ばしていたブルネットの髪をバッサリと切って髪色を変えパーマをかけた。
お店の近くにあった美容室に入り椅子に座ったはいいがどうしようと考えてたところ、多くの名女優のポスターが貼られた壁に目がいった。
そこで一番最初に目に飛びこんできたのが私と同じ瞳の色をしたイギリスの女優、エリザベス・テイラーのポスターだった。
よくこの瞳の色でよくこの人の名前が出ており馴染みのある方だったので彼女とはほど遠いが雰囲気だけでも似たような髪型に変えた。
それから洋服もなるべく買うようにして化粧も少しずつ勉強し始め瞳の色もカラーコンタクトで変えたりした。
そこからある変化が訪れたのだ。