Good old fashioned lover boy
第11章 懐かしのラヴァーボーイ
※ヒロインside
目覚まし時計のベルを止めて起き上がるとすぐに向かうのは洗面台。
冷たい水で顔を洗い歯を磨きそれが終わればすぐにヌテラをたっぷり塗ったトーストとカフェラテで朝食を済ませて、化粧を始める…。
そうしてるうちに時間はあっという間に過ぎ、急いで部屋を出て市街地へと歩く。
朝日が街を明るく照らしていてもこの季節は寒さが少しずつ増してくる。
朝から多くの人で活気づく市場の通りを歩けば陽気な老人がいつものように声をかけてくる。
「やあお嬢さん、そんなに早歩きしてると転んでしまうよ。」
「平気よ。まだ転んだことないから。」
私がそう返すと老人は穏やかな笑みを浮かべる。
明るく賑わう市場を抜け一本別の通りに入ればそこは先ほどとはうってかわってオシャレなカフェやジェラートショップなどがあり、観光スポットとはまた違う静かでゆったりとした空気が流れてる場所が現れる。
そこに一軒の花屋があり、駆け足でその店に近づくとブロンドで青い瞳をした60代ほどの小柄な女性が既にいるのが分かる。
その女性は私を見つけるや挨拶代わりに優しくハグをしてくれた。
「おはようヴィヴィ」
「おはようございます。」
「さあ、早く支度しないと」
女性にそう言われて私は店の奥へと入った。