Good old fashioned lover boy
第10章 自由への旅立ち
鎮痛剤を飲んでしばらく眠っていたジョルノが目を覚ますと病室にはブチャラティを除くかつての激闘を共にしたメンバーが集まっていた。
「やっとお目覚めかよ。」
憎まれ口を叩くようにアバッキオが言うとすぐにミスタがそれをなだめた。
「アバッキオ、その言い方は無いんじゃねえの?
ボスは薬を飲んでそのままおねんねしてたんだ。
怪我人にとってはそれが正しい行いだぜ?」
「皆さん、どうして今日は…」
「偶然かもしれませんが、今日の任務が思いのほか早く片付いたので皆でお見舞いに来たわけですよ。
ブチャラティはあの女性の元ヘ行ってしまってますけどね。」
そう言うとフーゴは厚みのある革で作られてる表紙の本をパタリと閉じた。
「あの女性」と聞いただけでジョルノには思いつく人物は一人しかいない…。
本当ならば早く傷を治して「彼女」の元ヘ向かいたいところだが現実はそう上手くはいかない。
そうしたモヤモヤとした感情が心の中に広がっていたところでナランチャがベッドの隣にある引き出しの上に「あるもの」を見つけた。
「これ、手紙か…?」
この言葉を聞いた途端、病室に漂っていた空気がガラリと変わった。
「ナランチャ、それを僕に見せてくれませんか?」
言われた通りに手紙を差し出すとジョルノはすぐに差出人を確認した。
…しかし、差出人は書かれておらず彼の名前だけがあるのみだった。
「読んでみろよ。それ次第ではこっちの出方も変わる。」
アバッキオがそう言うとジョルノは頷いてゆっくりと手紙の封を開けた…。