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Good old fashioned lover boy

第3章 華麗なる瞳


「いやー、随分と良いもの見せてもらったぜ。」
「ミスタお前そう言ってるけどよ、後半からあの姉ちゃんの脚ばっか見てたじゃねえか。」
ナランチャに痛い所を突かれたほろ酔いのミスタはぐうの音も出なかった。
「ったく、ガキじゃあるめえし」
アバッキオはそう言ってグラスに残っていたワインを全て飲み干した。
その頃ジョルノはいうと、誰もいなくなった暗いステージをずっと見つめていた。
あの言葉に表せない感覚は何だったのだろう…。
仲間たちや他の客の話し声なんてほとんど彼の耳には入ってきていなかった。
まさに「心ここにあらず」と言ったような感じだ。
「…ジョルノ、ジョルノ。」
誰かが呼んでいたような気がしてジョルノ声がした方を向いた。
声の主はブチャラティだった…。
「大丈夫か?ずっと呼んでいたのだが…。
気がつかなかったのか?」
「すみませんブチャラティ…。
つい、考え事をしていて…。」
「なんだジョルノ。ボスにしてはらしくねえな。」
アバッキオが彼の方をじっと見ながら言った。
6人の間にわずかだがピリッとした空気が流れた。
こういう時には必ずと言っていいくらいアバッキオが鋭い口調で痛い所を突いてくる。
ましてや相手はかつて確執があったジョルノだ…。
「すみませんアバッキオ。
つい彼女に目が止まりましてね…。
いえ、厳密に言えば彼女の背後にいる何かがどうしても気になりましてね…。」
後ろに「何か」がいる…。
それは今ここにいる6人にとってはどうしても見逃すことは出来ないことであった…。
ピリッとした空気が未だ流れる中、再びどこからか歓声が聞こえ出した。
その方へ視線を向けるとさっきまでステージにいた彼女が観客たちの元へ姿を現したのだ。
ジョルノは再び、さっきの不思議な感覚に心を捕らえられてしまった…。
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