Good old fashioned lover boy
第10章 自由への旅立ち
ジッパーの中から迷うことなくブチャラティ、リゾット、プロシュートの3人が飛び出してきた。
つまり、ジョルノはこの絶妙なタイミングを見計らって時間稼ぎをしていたのだ。
「行け、リゾット!!!」
ブチャラティの掛け声でリゾットが自身のスタンドである「メタリカ」を発動した瞬間、ロッセリーニが自身が身にまとうスーツを汚してしまうくらいの細かく細い釘が含まれた大量の血を吐き出した。
「野郎どもがなめやがって!!」
ロランが「彼女」の頭部に当てていた銃口をリゾットに向ける前にプロシュートが発砲した弾丸は奴の腕をかすめた。
撃たれた痛みで怯んだ瞬間に「彼女」の首に回していた腕が緩んだ。
「今だ!こっちに走って来い!」
ブチャラティが叫ぶと「彼女」はおぼつかない足どりでこちらに走ってきたところをジョルノが抱きとめた。
「怪我してないですか?」
ジョルノが耳元で囁くと「彼女」は目を潤ませながら2度大きく頷いた。
「それは良かった」とジョルノは「彼女」の額にそっとキスを落としたところでプロシュートの横槍が入った。
「ハッ、結局は王子様の総取りというわけか。」
「その言い方は無いだろうプロシュート。
ボスがここまで時間を稼いでくれなかったら人質を解放することは出来なかったのだぞ。」
リゾットがそう諌めるとプロシュートは「あぁそうかよ」と呟いた。
「今はもうここにいる理由はなくなった早くここから出よう。」
ブチャラティのこの一言でヘリポートから出ようとしたその時だった。
突然、耳をつんざくような奇声が聞こえたと思ったらジョルノが「彼女」達を入口へ押しこみ声がした方へ振り向いた瞬間、彼の身体を複数の弾丸が貫いたのだ…。
しかし彼は怯むことなく、自身のスタンドである「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」を発動させた。