Good old fashioned lover boy
第10章 自由への旅立ち
「私はずっと前から他の人間とは違う特別な力を手に入れたかったのだよ。
そうすれば、私に逆らうような人間は服従させることが出来るしどんな富や名誉も全て手に入るとね。」
「例の弓矢については以前からご存知だったのですか?」
ジョルノのこの質問にロッセリーニはみるみるうちに怒りの表情へ変わった。
「あぁよく知っていたさ。
だが、その弓矢は力を与えてくれるどころか私の身体に大きな傷を残していったのだよ…!!!!
それで私はこの弓矢を所持していた組織に復讐することを誓ったのさ。
その組織というのがアンタらパッショーネだ。」
やはり目的は組織に対する復讐だったようだ。
しかし、こちらがそう考えていても本人の口から真実を話してもらわないと意味がない。
ジョルノは奴を誘導するようにある質問を投げかけた。
「それでミス・ヴィヴィを利用して僕達の組織に探りを入れていたわけですか?」
「あぁそうだ。貴様のようにスタンド使いと生身の人間では太刀打ちが出来ないからな。
彼女の瞳の能力は素晴らしいものだよ。
よく働き私に組織のことばかりでは多くの幸運をもたらしてくれる。
私の父親が彼女の両親と長い付き合いでね、交通事故で両親を亡くした彼女を私が支援するようになったのだよ。」
ロッセリーニのこの一言で真っ赤に燃えてる炎がまた一段と燃え上がるように、ジョルノの怒りが最高潮の領域を越えた。
「何を言ってる!お前は己の欲望と復讐の為に彼女の両親を事故に見せかけて殺し、そして未来や希望のある彼女の人生までも奪った!
そんな奴に幸運など訪れるわけがない!」
「フッ、ギャングにしては貴様は随分と正義感の強い男のようだ。
だがこちらも彼女を手放すわけにはいかないのだよ。
これから私達はここからロッセリーニ家が所有してる島へ行くのさ。
そこで彼女と2人きりで過ごすのだよ。誰にも邪魔はさせない。」
自信たっぷりにそう告げてロッセリーニはくるりと振り向いてヘリに戻ろうとしていた。
「…そうはさせませんよ。」
ジョルノがそう呟くと入口のドアに見覚えのある金色のジッパーが現れた。