Good old fashioned lover boy
第10章 自由への旅立ち
「あれは俺達をおびき寄せる為の罠だったんだ。」
会場の外へと抜けた時ブチャラティがそう言い切った。
(リ)「しかし、会場の外にいたお前がどうしてそう言い切れる。」
「会場内のカメラをハッキングしてるメローネから新しい情報が入ってきたんだ。
彼女に襲いかかった男は以前パッショーネにいた人間だったってな。
前に組織の金を持ち逃げされそうになった事件があっただろう?」
ここまでのブチャラティの話を聞いてジョルノはすぐに思い出した。
かなり前の話になるが長くパッショーネにある一人の男がいた。
その男は数々のギャング組織を渡り歩き、多額の報酬があれば他の組織へとなびく言わば流れ者のような人物だった。
しかし、新しい体制となったパッショーネにも忠義を尽くしており噂で聞いた裏切るような行為は無いように思えた。
ところがこの信頼はある事件がきっかけで脆くも崩れ去ってしまった。
男は組織が厳重に管理している金庫から金を持ち逃げしようとしたのだ。
それはすぐに発見されて男に尋問をしたが一切口を割ることなくどこかへと消えてしまったのだった。
まさか、あの男がきっかけで組織の地盤が壊されていたのか…。
ロッセリーニを含め己の欲望の為ならばどんな汚い手段も選ぶ奴らにジョルノ達の怒りは最高潮に達した。
するとインカムに再びメローネの声が入った。
「ボス、奴は彼女を連れてヘリポートのある最上階へ向かってる。
急がないと本当に後がないぞ!」
「分かりました。」
ジョルノ達は足早に最上階ヘ急いで向かった。