Good old fashioned lover boy
第10章 自由への旅立ち
「やはりそうか」…。
組織が予測していたことおおかた合っているようだった。
人間には触れられたくない秘密を持つ者が少なからずいる…。
特に高い地位や名誉を持つセレブや政治家には多かれ少なかれあることだろう。
「彼女」はそういったものが見えるスタンドを持つ人間だ。
それで相手を強請り自分に従うように仕向ける…。
さらに、奴は銃器や麻薬の密輸にも精通しておりギャングとも蜜月関係であることも明らかになっている。
とにかく自分の利益になりそうなものはどんな手でも使って手に入れるのがロッセリーニという男なのだ。
「私は長年ロッセリーニ家に仕えてきました。
その分、この一族の闇をたくさん見てきました。
特にレオナルド様の行動は常軌を逸しております。
まだ年端もいかぬあのお嬢様が屋敷に来たあの日は今もつい昨日のことのように覚えております。
私はあのお嬢様の能力がどれだけ凄いのか分かりませんが、他人の人生を奪う理由にはなりません。
私は一刻も早くこの一族が抱える闇が消えることを願っているのです。」
苦しくも切実な執事の告発は2人の心に重く響いた。
やり方が違うとはいえ奴を潰すという目的は変わることはない。
「何か言い残すことはないか?」
アバッキオが聞くと執事は無言で首を横に振った。
「イルーゾォ、早くここから出せ。お前目も限界だろう?」
その言葉を聞くとイルーゾォはスタンドを解除した。