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Good old fashioned lover boy

第9章 輝ける者の秘密


こんな状況に私はどうしたらいいか分からない…。
でも、一つだけ言えるとするならこんなにも心が熱く、とろけそうになったのは生まれて初めてということだ。
お互いのまつげが重なるくらい近さで「彼」は私にこんなことを聞いてきた。
「僕の瞳を見た時に貴女には何が見えたのですか?」
これはきっと日記帳にあったあのページを見て知った上で聞いてると私は思った。
しかしここで質問を質問で返すようだと埒が明かないような気がしたので私はあるがままのことを答えた。
「アジア人のような雰囲気をした黒髪の幼い子供が見えました…。
年齢は大体2〜3歳くらいで、暗い部屋の中でずっと震えてるようでした。
近くに親の姿はなくて寂しさと孤独でずっと泣きそうな表情を浮かべてたの…。」
「それから?」
「後は、部屋の片隅でずっとうずくまる姿が見えました。
身体にはたくさんの傷があって誰かに暴力を振られたのではないかと思って…。」
「それから?」
何故だろう…自身の瞳で映し出した光景なのに、悲しく胸が押し潰されそうな気持ちにどんどん変わっていく…。
あの時はそこまで感じなかったのに今になって、自分自身のこれまでの行いがいかに酷なことかを痛いほど感じた。
しかし相手に聞かれた以上はきちんと答えないといけない。
私は再び溢れそうになってる涙を堪えて話を続けた…。


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