第4章 ④不思議ブレスレットで…【R18/尾形と仲直りしてみた】
尾形はいつも謝らない。
でもその代わり、例えばこういう風にお風呂に誘ってきて、体や頭を優しく洗ってくれたりする。
そうしていく内に、いつの間にか仲直りできているのだ。
のだが、今日は洗われない。
あれっ?!
かといってよほど自分がデレていない限り、「洗って♪」なんて言えやしない。
和栗は尾形の横で黙々と洗うと、鏡で髭を剃っているのを尻目に、先に湯船につかった。
ホントに時間短縮なだけなんだったら、シャワーだけで済ませて上がるんじゃないかな。
なんて思いながら、いつ入ってきてもいいように前につめる。
先に上がられちゃったら、なんか、凹むなぁ。
そう考えると、無意識に足を両手で抱きかかえて縮こまっていた。
ザバリ
おおおお尾形が入ってきた!
和栗はドキリとして背筋を伸ばす。
一緒に湯船に入ってくるということは、もはや、もはやもう怒ってない!
なのに一向に手を出す気配は見られない。
いつもなら、軽く乳くらい触ってくるし、なんだったらそれ以上になるのに、天井に向かってフゥと深くため息をついただけだった。
皆居るから遠慮してんの?
え?でもこの前皆いた時、私が嫌がるの分かっててわざとココでしたことあるよね?!
そういう奴ですよね?!
でもこんな風にセクハラしてこない時、かなりデレている場合もある。
お湯を手ですくって、肩にかけてくれたりするのだ。
.....んんんん肩にもかけなーい!
十分温まったし、和栗は色々諦めて湯船からゆっくりと出た。
その後に、尾形も立ち上がる。
そういえば、こんなタイミングでいきなりされたこともあったな!
バタンッ
和栗「....」
はい何も無かったー!
尾形は横に置いてあるタオルでガシガシと拭くと、パンツとズボンだけ履いて(最近面倒くさがってふんどしを履かない)出ていってしまった。
自分拭く前に、髪拭いてくれたこともあったじゃん!
ちょっと乱暴だから髪絡まって痛いけど!
喧嘩中と思っているわりには、自分もすっかり怒っていないことに、気がついていないのだった。
和栗「お待たせ...って、あれ?帰るの?」
リビングに戻ると、アシリパさん達が鍋の片付けと、明日の身支度をしていた。
アシリパ「あぁ、杉本と白石の風呂が終わったら、向こうに戻る」