第4章 ④不思議ブレスレットで…【R18/尾形と仲直りしてみた】
和栗「そっか...」
もっと色々話したかったけど、残念。
アシリパ「済まないな、明日早朝に行きたいところがある。こちらに来るつもりで、今日の寝床はもう確保してあるから心配ない」
和栗「うん、分かった」
じゃあ、尾形も帰っちゃうのかな。
チラリと部屋の角を見ると、ラグで横になっていた。
和栗「寝た!!!」
そう、尾形はもう寝ていた!
ここには寝首をかくような動物も人間も居ないので、超無防備に寝ることがある。
そういうの、ちょっと嬉しかったりする。
杉本「くぉんの尾形!お前鍋と風呂ご馳走になったんだから片付けくらい手伝え!」
尾形「....」
般若のような顔で尾形を脚蹴りしようとしたところを、白石に止められる。
白石「まぁまぁ、そっとしといてやれって。尾形ちゃんもここだとゆっくりできるんだろうよ」
杉本「けどこいつたぬき寝入..!!!」
白石「まぁまぁ、いいから先風呂入ってこいって」
ドタバタやっている男子はほっといて、和栗は食器を洗いに台所へ立った。
アシリパ「和栗」
和栗「ん?」
振り返ると、少し小声で話し出すアシリパ。
アシリパ「何があったか私には分からないが、尾形は置いていく」
和栗「えっ!?」
アシリパさんには、うちらが喧嘩中なのもお見通しなようだ。
アシリパ「今日はありがとう。また、来てもいいか」
和栗「え、う、うん、また来て!こっちこそありがとう」
アシリパは満足そうに微笑むと、白石!先に帰るぞ!と声をかけた。
白石「えっ?!俺のお風呂は?!」
アシリパ「お前が入ったら和栗の綺麗な風呂場が臭くなる!」
白石はションボリと肩を落としながら身支度を始めた。
パッと上がってきたらしい杉本も(ホカホカ)、アシリパさんから予定を聞いて服を素早く着込む。
杉本「和栗さん、今日はありがとう。また近いうちに来るから」
和栗「うん!」
アシリパと杉本に、同じようなことを言われて自然と顔が綻ぶ。
2次元へ帰るときは、ブレスレットをしている私と手を繋いで、漫画の本に足を入れればいい。
何かあってもいいように、先頭は杉本、次に白石、最後に和栗と手を繫いでいるアシリパ。
アシリパ「またな!」