第75章 ひとり寝の夜

蓋を開け、中のものを見て、思わず、ごくりと喉を鳴らしてしまう。

「っ…あっ……」

箱の中身に、恐る恐る震える手を伸ばす。　

触れた瞬間、冷んやりと冷たい無機質な感触に、熱くなっていた身体が少し冷えた気がしたが……構わず、ソレを掴むと、そろりと取り出した。


黒々と怪しく黒光りするモノ

固くて太い…殿方の膨張したモノを模した……『張型』


あの夜、信長様の手によってコレが私のナカに……そう思っただけで身体の芯が、かぁっと熱くなる。

再び乱れ始めた息を忙しなく吐きながら、掴んだ張型のくびれた部分へと指を這わす。

信長様のモノへするのと同じように、くびれた亀頭の部分を指で何度も擦っていると、少し人肌の温かさに近づいたような気がした。

「っ……」

作り物の無機質な固さが怖い……と同時に、壊れるほどに乱れてしまうかもしれない自分自身が怖かった。


身体を横向きにしたまま、夜着の裾をはだけさせ、足の間に張型をそうっと近づける。

触れた瞬間、竿の部分のヒヤリと冷たい感触に違和感を感じてしまい…足の間に挟んでしばらく温めることにした。

白い太ももの間からチラッと覗く真っ黒い張型が、ひどく卑猥に見える。


人肌に温まった張型を震える手で握り直すと、足の中心へと恐る恐る近づけていく。


ーっぐちゅっ　ぬるっ


「あっ…うっ！はぁ、ゔっ…」

自身の指で既に一度絶頂を迎えていた秘部は、いまだたっぷりと蜜を湛えたまま泥濘んでおり、固い張型を難なく迎え入れる。

先が少し埋まっただけだが、ひどい圧迫感を感じてしまい、思わず息を呑んでいた。

(っ…固いっ…コレをもっと奥まで…？っ…怖いっ…)


怖い…けれど…もっと…気持ち好くなりたい…


相反する感情に戸惑いながらも、どうしようもなく疼く身体を抑えることは、最早できそうもなかった。