第73章 恋文
「ふっ…そのような甘い声、他の者には聞かせられんな。
朱里、貴様の声は男を惑わす。
触れてほしいか?これは貴様への罰だ。俺に隠し事をし、俺のものであるその身を危うくした罰。だから……簡単には触れてやらん」
意地悪そうに言いながら、胸の先をきゅっと強めに摘まれる。
焦らされた身体には、痛みよりも快感が増してしまう。
「あぁっ…やっ…」
(んっ…さっきから胸ばっかり…気持ちいいけど……それだけじゃ、もう足りない……)
「んっ…やだっ…信長さま…意地悪しないでぇ…」
更なる刺激が欲しくて、はしたなくも自ら腰を揺らして強請ってしまう。
さりげなく両足を擦り合わせてみれば、足の間がヌルついた感触を感じる。
きっと、ナカはもうトロトロに蕩けてる。
(早くっ…早く触って…もっと気持ちよくなりたいっ…)
焦らされて潤む瞳で、強請るように信長様を見上げる。
それでも、信長様は胸を執拗に愛撫するだけで、下の方へは一向に触れてくれない。
「っ…お願いっ…もう…我慢できないの…」
「くっ…煽りおって…触ってもいないのに、もう濡らしてるのか?堪え性のない、いやらしい身体だな」
「っ…うっ……」
(やっぱり怒ってらっしゃるの?信長様ったら、いつも以上に意地悪だ……)
思わず恨めしげな目で見上げてみれば、信長様は口角を上げて悪戯っぽい笑みを浮かべて私を見下ろしている。
そのお姿はひどく色っぽくて、目が合っただけで鼓動がうるさく騒いで仕方がなかった。
「んっ…信長さま…もう…欲しいの…」
焦らされ過ぎて理性を失った私は、信長様の着物の帯に手を伸ばす。
もどかしい手つきで帯を解こうとする私の手を、余裕の表情の信長様はいとも簡単に捕らえてしまう。
指先にチュッと軽く口付けると、頭の上で易々と縫いとめてしまった。
「くくっ…貴様、随分と物欲しげではないか…まだダメだぞ?簡単にはやらん、と言ったであろう?」
「あっ、んっ…やだぁ…」
耳奥へ熱い吐息を注ぎ込まれて、身体がビクっと震える。
ーにゅるっ ぴちゃっ
「ひっ…うっ…や、やだ…耳、舐めちゃ…」
いきなり生暖かい舌が耳孔へと挿し込まれ、耳の形を確かめるかのように、穴の周りをにゅるにゅると這い回る。
湿った水音が頭の奥へと直接響いて、その行為は眩暈がする程に官能的だった。