第73章 恋文
「っ…ふっ…やっ、あぁ……」
昂り過ぎた快感のせいで潤んでいた瞳から、生理的な涙が一筋ポロリと零れ落ちた。
頬を伝い落ちる雫は、信長様の舌に舐め取られ、目尻にチュッと優しい口づけが落ちてくる。
「ふっ…泣くほどに我慢できぬのか?
それほどに欲しいのなら…貴様に良いものをやろう…」
「んっ…信長さま…?」
ぴたりと重ねられていた身体が離されて、信長様は私の上から身を起こすと、寝台の横の台の上へと手を伸ばした。
いつからそこにあったのか、見覚えのある小さな箱が置いてあった。
(あの箱…前に見たことある。何が入ってるんだろう…信長様は中身は秘密だって仰ってたけど……)
高まった興奮で乱れた息を整えながら、箱へ手を伸ばす信長様の動きを、ぼんやりと目で追っていた。
信長様は箱を手に取ると、ゆっくりとした動作で蓋を開ける。
箱の中を見てニヤッと口角を吊り上げて不敵な笑みを浮かべる様に、些か不安を覚えてしまう。
「あのっ…信長様? その箱に何が……?」
「くくっ…知りたいか?これは…貴様の欲しいもの、だ」
「……えっ?」
(私の…欲しいもの…?そんなもの……)
戸惑う私に構わずに、信長様はゆっくりと箱の中へと手を伸ばしていき、私に見せつけるようにしながら、箱の中身を取り出したのだった。
「朱里、これが何か分かるか?」
「っ……やっ…」
見せつけるようにソレを目の前に持ってこられて、思わず目を背けてしまった。
黒々と黒光りする太いモノ
見るからに固そうだが、忠実に再現された、あのカタチ
信長様のモノと、どちらが大きいだろう……などと、いやらしく想像してしまう、淫靡さ
「……知っているか?これは『張型』というものだ。
くくっ…上手く出来ているだろう?見よ、男の一物そのものだ」
鼻先が触れるほど近くに近付けられて、思わず顔を背けた私を、信長様は許してくれない。
顎先をぐいっと掴まれて顔を戻された私は、目の前でソレを見てしまい、恥ずかしくて一気に顔が熱を上げた。
「っ…いやっ…」
「朱里、これは何をするものか…貴様は知っておるか?」
「………??」
「ふっ…知らぬのか?初心なことよな。
ならば、俺がじっくり教えてやらねばなるまい…じっくり、とな」