第69章 接待〜甘く解して
人というものは欲張りなものらしい。
満たされると、また次の刺激が欲しくなる。
夜着の上からというのが、もどかしくなり、直接身体に触れて欲しい、と思い始めていた。
「信長様、あのっ…」
「………ん?」
「………お身体に、直接触れても…いい?
そ、その…夜着の上からだと、揉みづらくって…」
「っ……!」
(こやつ…今宵はやけに積極的だな…)
信長の疲れを癒さなくては…朱里の頭にはそのことしかなかったので、自分が大胆なことをしているという自覚は全くなかったのだが、信長にしてみれば、普段は恥じらって自分からは触れてこない朱里が、指圧のためとはいえ、やけに積極的なことに、戸惑いと興奮を隠せないでいた。
朱里の手が前に回り、シュルリと腰紐を引き抜く。
緩められた夜着が、肩口から腰の辺りまで滑り落とされ、肌が晒される。
露わになった肌に、朱里の手が触れる。
先程からの指圧で体温の上がった身体に、冷やりとした手の感触が心地良い。
肩から背中にかけて、手のひらを滑らせるようにして何度も往復する。
時折、脇腹にも触れられると、擽ったいような、気持ちいいような妙な気分になる。
うつ伏せになった身体の下で、下半身がズクズクと疼いている。
重力に逆らって勃ち上がりつつあるのが分かり、朱里に気付かれぬよう、僅かに腰を浮かせた。
「うっ…はぁ…あぁ…」
自分のものとは思えぬ、甘ったるい吐息が口から漏れる。
「……信長様、あのっ、失礼します…」
「…………ん?」
躊躇いがちに小さく断りを入れたかと思うと……朱里はいきなり俺の身体の上に跨った。
「っ……おいっ…」
思わず首だけ後ろに振り向けると、裾が乱れて真っ白いふくらはぎが露わになっているのが目に入り、慌てて目を逸らす。
心の臓が、煩いぐらいにドキドキと早鐘を打っている。
朱里は俺の尻の上に跨ったまま、身体全体を使うようにして、腰をぐいぐいと揉んでくる。
程よい力加減の圧迫感が堪らない。
ムクムクと勃ち上がっていた一物が、腰が押されるたびに寝台に押さえつけられるのが……これまた堪らない。
(っ……おかしくなりそうだ…)