第11章 束の間の息抜き
「では、信長様、狩りの成果楽しみにしてますね!」
「ああ、楽しみに待っておれ」
「朱里、大物獲って来るから今夜はご馳走だぞ〜」
「政宗も頑張ってね!楽しみにしてるよ」
「御館様、私は朱里様のきのこ採りのお供を致します」
三成くんがにっこり笑って私の側に来てくれる。
「……俺も、朱里に付き合います……三成だけだとおかしなもの採ってきそうだし」
家康が三成を見ながら仏頂面でぼそっと呟く。
「家康、いいの?ありがとう!」
「……別に。薬草も探すつもりだから、ついでだし」
「ふっ、素直に朱里が心配だと言えばいいものを」
「光秀さん、余計なこと言わないでもらえます?」
「朱里様、こちらに鮮やかな色のきのこがございましたよ!」
「……三成、それ、毒あるから。
まぁ、食べてくれてもいいけど……」
「ふふ、家康は何でも知っててすごいね。
色々教えてくれて、ありがとう!」
「……別に、大したことじゃない。
アンタも今日は久しぶりに息抜きしなよ。
毎日城の中じゃ退屈でしょ?」
「そうだね。本当はもっとお城の外にも出たいけど……」
目を伏せて口籠る私に家康は、
「……あのさ、朱里。信長様は……」
「…うん、分かってる。信長様は私を危険に晒したくないから、お城の外に出したがらない……そうだよね?
私、大丈夫だよ。信長様のお側にいられるなら、それだけで幸せなんだから」