第11章 束の間の息抜き
鷹狩りは大成功で、その日の夕餉は政宗が腕を振るってくれて豪華なものになった。
私達が採ったきのこも政宗に料理してもらい、美味しいものをたくさん堪能できて大満足な夕餉の時間だった。
「はぁ〜お腹いっぱい!
信長様、今日は楽しい時間をありがとうございました!」
広間で隣に座り満足そうに微笑む私の頬に手を伸ばし、唇をそっと撫でる。
『っ、あっ、……もしかして、また何か付いてましたか??」
慌てて口元に触れようと伸ばしかけた手を、そこに辿り着く前に捉えられて、指先にそっと口付けられる。
軽く食むように指先に優しい愛撫が与えられる。
「っ、信長様、どうしたんですか?
みんなの前ですよっ」
「ふっ、貴様があまりに愛らしいので、つい、な」
悪戯っぽく微笑む姿に、ドキンと心臓が跳ねる。
皆の前だというのに、口付けのその先を期待してしまう自分が恥ずかしくて赤くなった顔を上げられない。
「……朱里、今日は俺も貴様のおかげで楽しい時間を過ごせた。
また、このような時を共に過ごしたいものだな」
「っ、はいっ!」
優しさに溢れた信長様の言葉に心が満たされて、このままどんな試練も乗り越えていけそうな気がした。