第60章 京へ
「……朱里、そこの壁に手をつけ」
ナカを散々に掻き混ぜられて腰がぐずぐずに蕩けてしまい、足元が覚束なくなってきた頃、信長様が私の耳元で妖しく囁く。
その声はまるで呪術のようで、抗うことなどできないのだ。
おずおずと後ろを向いた途端、着物も襦袢も腰まで捲り上げられて下半身を露わにされてしまう。
あられもない格好に、恥ずかしくて俯いたまま壁に手をついた私の腰を、引き上げるようにガッチリと掴んだ信長様は、背後から一気に私を挿し貫いた。
ーっぷっ!ぐっちゅうぅぅ!
「あ"っ、あ"あ"ぁ〜やっ、いやっ…んんっ、っ、」
「くっ…はっ…朱里っ…」
背後からの挿入はひどい圧迫感で、信長様の昂りが出入りするたびに、割れ目が裂けてしまいそうなほど広げられる。
圧迫感とそれを上回る快感に、思わず甲高い喘ぎ声が漏れてしまった私の口を、塞ぐように信長様の唇が重なる。
「んんっ!んーっ!」
それでも、激しい抽挿は止まることなく、唇を塞がれたままで何度も腰を穿たれる。
何度も腰を叩きつけられている内に、いつの間にか壁に押し付けられるような格好になっていて、それがまた更に挿入を深くしていた。
「っ…やっ…深いっ…奥っ…あっっ、いっ、イ…クぅ…」
「くっ…朱里…愛してる…淫らな貴様は、最高に愛らしい。
っ…はっ…俺の、全てを…受け止めよっ」
ードピュッ!ビュルビュルッ!
最奥まで一気に突かれ、熱い迸りが体内で弾けた瞬間、腰から痺れるような気持ちよさが身体中を駆け巡り、頭の中が靄がかかったように白んだ。
「っ、あっ…ふっ…信長さまぁ…んっ…好きっ…」
身体中満たされた幸福感で胸をいっぱいにしながらも、立っていられなくてずるずると壁をずり下がる私を、信長様は繋がったままで背後から強く抱き止めてくれた。
「ふっ…まだまだ足りぬが…続きはまた今宵、閨で…な」
耳元で甘く囁かれる声は堪らなく色っぽくて扇情的で……もはや私は、心も身体も信長様に囚われてしまっていた。
囁きながら、ずるりと一物が引き抜かれて信長様の身体が離れていくのが、ひどく名残惜しく感じられ、煽られた熱はいつまでも冷めることはなかったのだった。