第57章 光秀の閨房指南
さあっと一陣の涼風が部屋の中に吹き込んできて、首元にかかっていた髪をふわりと吹き上げる。
「っ…あっ……」
無意識に思わず首筋を押さえてしまい、頬がさっと熱を持ったのを感じる。
(…やだ…誰も見てないのに…意識し過ぎ…)
首筋にくっきりと付けられた紅い口づけの跡
髪に隠れるか隠れないか、ぎりぎりの場所にわざと咲かせた紅い華
上洛の前夜、信長様はいつも以上に欲を露わに激しく私を抱いた。
離れる時間を惜しむかのように、達しても達しても、何度も求められて、朝日が昇る頃にはもう、身体は指先ひとつ動かせないほどぐったりと疲弊していたけれど、大好きな人にたくさん愛されて、心はこれ以上ないぐらい満たされた。
(あれから何日も経ったのに、跡…まだくっきり残ってる。信長様の唇の感触もはっきり覚えてる……っ…身体、熱い…)
激しく抱かれた夜の記憶が蘇り、身体が熱くなって中心部がトロッと蕩けだしたのを感じて、羞恥に染まる。
(っ…やだ、私…一人で想像して熱くなるなんて…こんな爽やかな天気の昼日中から……うっ…恥ずかしい…)
そうは思っても、一度火がついて疼き始めた身体は、なかなか鎮まってはくれない。
息をするのも苦しく感じるほどにドキドキと鼓動が早まり、何気なく胸元に手を当てると、自然と着物の上から膨らみに触れていた。
着物の内側に収められた豊かな胸の、その中心は既に硬く、芯を持ってしまっていて…触れた拍子に布地と擦れて、ピリッとした甘い刺激が走る。
「っ…あっ…んっ…」
(ん…だめ、こんなの…人に見られたら…っ…でも…)
頭の中で、信長様の指を想像しながら、着物越しにくるくると円を描くように触れる。
硬くなった突起をきゅっと押し込むように、強めに指の腹を押しつけると、下腹部がジュワッと熱くなったのを感じる。
「…んっ!…っ、はぁ…」
(あぁ…信長さま…っ…あ…んっ…)
座った姿勢のまま、太腿をもじもじと擦り寄せては、何とか傍目には分からない程度に抑えつつも、ゆらゆらと腰を揺らしてしまう。
そうしていると、段々と脚の付け根の部分が滑ってきているのを感じる。
(っ…んっ…触りたい…信長さまが触れるみたいに……したい…)
頭の中ではもう、私のソコは信長様の指でぐちゃぐちゃに掻き回されていて……歓喜の涙を溢れさせていた。