第8章 月下の誓い
「…………この後の俺の時間は貴様のものだったな」
髪を指に絡めて弄びながら、甘く低い声を耳に直接注ぎ込まれる。
背筋に甘い痺れを感じ、立って居られなくなって信長様に身体を預ける。熱く熟れ始めた身体の熱に流されそうになりながらも、小さく、しかし、はっきりと告げる。
「……城下に行きたいのです」
「……このような遅い時間にか?」
「お見せしたいものがあるのです。一緒に行って下さいますか?」
信長様の厚い胸板に身体を預けたまま、顔だけ後ろに向けて深紅の瞳と見つめ合う。私を抱き締める腕に力を込めて、信長様が力強く肯く。
「貴様の願いはどんなことであれ叶えてやろう。貴様は俺の……特別ゆえな」