第8章 月下の誓い
賑やかだった宴もお開きになり、信長様と2人、天主に戻ってくる。
「はぁ〜とってもいい宴でしたね!皆も楽しそうでしたし。お料理も美味しかったですね!」
「あぁ、そうだな。政宗の今宵の料理はまた格別であったな。随分と手をかけてくれたようだ」
(ふふっ、政宗、気合い入ってたからなぁ。でも、本当に美味しかったな。信長様も珍しくたくさん召し上がってたし)
宴の余韻に浸ってうっとりしていると、不意に後ろから抱き締められる。今日の為に特別に衣に焚き染めた伽羅の香りを堪能するかのように、信長様が私の髪に鼻先をうずめて深く息を吸う。
「……良い香りだな。癒される。貴様によく合ってる」
「……ありがとうございます。信長様のお好きな伽羅の香ですよ」
髪に触れられているだけなのに、鼓動が騒いで身体の奥が熱くなる。もっと深く触れ合いたい、そう思ってしまう。