第50章 花惑い
脱力したように覆い被さる信長様の身体を、下からきゅっと抱き締める。
乱れた息を整える『はぁはぁ』という息遣いが耳元で聞こえ、そんな信長様が可愛くて…あやすように背をとんとんと撫でる。
漸く呼吸が落ち着いたところで、モノがズルッと蜜壺から引き抜かれるとナカに留まりきらなかった白濁が溢れて、じんわりと股の間を濡らす。
信長様の精はいつも、何度目でも量が多いようで…少し溢してしまう。
「っ…あっ…」
「ふっ…出てしまったか…拭いてやるから、じっとしておれ」
「ええっ?ゃ…自分で…します…恥ずかしいから…」
「何を今さら恥ずかしがることがある。貴様のココは先程十分に堪能したぞ」
「やっ…もう…そんなこと…言わないで」
恥ずかしくて顔を背ける私の顎を捉えて、額にちゅっと口づけを落とすと、気怠げに身を起こされる。
そんな仕草も色っぽくて、ずっと見ていたくなる。
互いに身を清めた後、また寄り添って褥に横になった。
信長様は私の髪を優しい手つきで梳いてくれ、それがとても心地良くて、私は情事の後のこんな時間が好きだった。
「……何を考えておる?」
寄り添ったまま、何も言わずじっと胸に顔を埋めている私に、信長様は少し心配そうな声音で問いかける。
「あ……さっき話してたお花見のこと、考えてました。
この安土の地で、あと何回…信長様と桜が見れるだろうか、と…」
「………やはり寂しいか?」
「ん…そうですね…信長様との思い出は全て、この安土でのものですから。城下の皆とも親しくなれたのに、離れなくてはいけないのはやっぱり少し…寂しいです」
「皆も同じ気持ちであろう。貴様も結華も城下の者に慕われておるからな。だが…案ずるな。新たな地でもまた思い出はできる。それに、この安土の城もなくなるわけではないのだから…」
「はい…」
信長様は、先月の結華の五歳の誕生日の祝いの席で、家臣達にいくつかの重要なお話をなされた。