第7章 誕生日の贈り物
信長様の誕生日当日
朝から沢山の人がお祝いに訪れ、信長様は大忙しだった。私も謁見の場に立ち会うように言われ、信長様の隣に座って大名方のご挨拶を受けていた。
(信長様はやっぱりすごい方だな。こんなに沢山の人がわざわざ安土までお祝いに来るなんて)
尊敬の眼差しで、隣に坐する信長様を見つめていると、私の視線に気付いたのか、前を向いたままで私の太腿に手を伸ばしてスリスリと撫でてくる。
突然のことにびっくりして、信長様の手を制しながら、小声で囁く。
「っ、信長様。皆の前ですよっ」
「ふっ、そのような物欲しげな目で見つめてくる貴様が悪い。皆に見せつけてやればよい……貴様が天下人の女であることを」
嬉しさと恥ずかしさで返す言葉が見つからず、頬を朱に染めて俯く私に、信長様は優しさが溢れる笑顔を見せて下さった。