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永遠の恋〜信長の寵妃【イケメン戦国】

第48章 満たされぬ心



「はい、母上、あ〜ん」

言われるままに口を開けると、小さな指が一粒の金平糖を摘み、口に入れてくれる。

ほんのりと金平糖の優しい甘さが口の中に広がる。

「ふふ…結華も、あ〜ん、して」

口の中に一粒入れてやると、見る見るうちに顔が綻び、可愛い笑顔が溢れる。

「あま〜い!美味しいね、母上」

二人して顔を見合わせて笑い合う。

(あぁ…幸せだな…こんな他愛ない時間が一番幸せ。この子の母になれて…本当によかった)


********

「信長様、今日は結華の手習いを見て下さったそうですね。父上に褒めてもらった、と大層喜んでおりましたよ。ありがとうございます」

その夜、天主で寝支度をしながら信長様に昼間のお礼を言う。

「なかなか上手く書けていたな。元々の素養があるのか、結華は上達が早いな」

「ふふ、そうですね。あっ、金平糖もありがとうございました。あんなに沢山、秀吉さんがよく許してくれましたね」

「くくっ…あやつは結華に甘いのだ。俺からは取り上げるくせに、な」

不満げに少し口を尖らせる姿が子供みたいで可愛い。

「貴様も食べたか?最近疲れておるだろう?甘味は疲れを癒してくれるからな」

「信長様…わざわざ私を気遣って下さったのですね、ありがとうございます」

やっぱり信長様は優しい。いつも私のことを案じてくれている。
私も…今日は信長様に自分の気持ちを伝えなくては…

「………信長様、あの…私、お話しなければならないことがあるのです」

居住まいを正して、そう言うと、信長様もまた、じっと私の瞳を見据え、続きを促すように真っ直ぐに見てくる。

「先日、御家老方から私に、願い出がありました……信長様に側室を薦めてほしい、一刻も早くお世継ぎを、と……」

「………それで?貴様はどうしたいのだ?」

信長様の感情の見えない冷たい目に、一瞬怯んでしまう。
こんなに冷たい声音の信長様は久しぶりで……怒っておられるのだろうか、と少し怖くなる。

「っ…あの…」

「別に怒っているわけではない。俺はただ、貴様の気持ちが知りたいだけだ」


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