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永遠の恋〜信長の寵妃【イケメン戦国】

第48章 満たされぬ心


その夜、天主にて

湯浴みを済ませ、姿見の前で髪を梳く朱里の姿を、褥の上で肘をついて横になりながら見る。

「今日は本当に楽しい一日でした!政宗や家康も元気そうで何よりでしたね」

鏡越しに幸せそうに微笑みながら話す様子に、愛しさが募る。

結華にひとり寝をさせるようになって、再び朱里との二人だけの時間が増えると、欲情に抑えが効かず、近頃は毎晩のように求めてしまっている。

(これだけ交わっても孕ませられんとは…考えても詮無いことだが…)


「朱里、明日は朝から結華と二人で出かける。支度をしてやってくれ」

「二人で…どちらへ?」

「城下へ正月の市を見に行く」

「……そう、ですか…二人で?」

「ふっ…貴様も行きたいのか?悪いが、明日は駄目だ。結華に『父上と二人で行きたい』と言われておるからな」

「………信長様のいじわる」

恨めしそうに上目遣いでジトッと睨まれるが、そんな仕草でさえも只々可愛らしく、欲を煽られるばかりだ。

「朱里…こちらへ来い」

起き上がって褥の上で胡座をかき、膝をトントンと叩いてみせると、頬を少し赤らめ恥ずかしそうにしながらも、おずおずと膝の上に座る。

ーチュッ チュッ チュプッ

「んっ…あっ…はぁ…ん…」

顎を捉えて上を向かせると、啄むように口づける。
上唇を食み、下唇をツーッと舌先で舐め上げれば、朱里の口から甘い吐息が溢れ出す。

恍惚とした表情を浮かべている朱里の唇は、無意識に半開きになっており、俺の舌は簡単に口内へと侵入を果たす。

舌先で歯列の裏をなぞり、舌を絡め取って強く吸い上げていると、段々と朱里の身体から力が抜けていくのが分かる。

俺の首に腕を回し、縋るように身体を寄せてくる姿に、愛しさが募って、唇を合わせたまま、ぎゅっと強く抱き締めた。

「んっ…ふぅ…信長さま…あっ…だめ」

身体を弄る手を制止するように細い手が押さえてくるのを、軽くかわしながら、逆にその手を掴まえる。

「ん……分かってる…今宵は月の障りがあるのだろう?……だから……触れ合うだけでよい。身体の具合はどうだ?」


結華を産んでから体質が変わったのか、近頃、朱里は月の障りがある期間に酷く体調が悪くなるようだった。
下腹部の痛み、貧血、手足のむくみなど、血の巡りが悪くなり、酷い時には立っていられない日もあるようだ。


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