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永遠の恋〜信長の寵妃【イケメン戦国】

第7章 誕生日の贈り物


(最後は光秀さんか…ちょっと苦手なんだよね、あの人)

安土に来て数ヶ月、光秀さんとはなかなか話す機会がなく、軍議の場での冷静な態度と意地悪そうな言動から、何となく近寄り難くて、自分から話かけたことはなかった。時々、信長様との仲を揶揄われるぐらい。

(どうしよう……この時間なら御殿の方にいるのかな…そもそもいつも隠密行動だから、安土にいないことの方が多いんだよね)

迷いつつも、私は侍女を1人伴って光秀さんの御殿を訪ねることにした。

「姫様、よろしいのですか?お一人で殿方の御殿へ行かれるなど…信長様に叱られませんか?」

侍女の千代が心配そうに言いながら、何とか私を引き留めようとする。千代は私が子供の頃から仕えてくれている、侍女というよりは姉のような存在で、私が信長様と恋仲になってからも、色々と相談に乗ってもらっている。

「殿方って……千代は大袈裟ね。光秀さんは、信長様の信頼の厚いお方よ。掴みどころのない人だけど、信長様のことをよく分かっておられる方だと思うし、この機会にお話を聞いてみたいの」

「はぁ、大丈夫でしょうか……」


光秀さんの御殿に着いて家臣の方に取り次いでもらう。光秀さんはちょうど出先から御殿に戻ったところだったらしい。部屋で2人で向かい合うと、何とも言えない緊張感が漂う。

「これは珍しいことがあるものだな。お前が俺を訪ねてくるとは」

「…忙しいのにすみません。光秀さんに聞きたいことがあって」

「…なんだ?信長様の誕生日のことか?」

(っ、まだ何にも言ってないのに、なんで分かるの??)

不思議なものでも見るようにまじまじと見つめる私の様子を見て、ニヤリと笑いながら、

「そんなに熱い目で見つめるな。誘惑されているのかと思うではないか」
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