第7章 誕生日の贈り物
お礼を言って退室しようとした時、部屋の隅に置かれていた、綺麗な包装がなされた包みが目に入る。見るからに特別そうな包み。
「……家康、これって…」
「あっ、そっ、それ?大したものじゃない。傷に効く薬とか疲れた時に飲む薬湯とか、俺が調合した薬を色々包んだだけ。あの人、戦で怪我しても平気な顔してるし、疲れた素振りも見せないでしょ。俺ができるのは薬を調合することぐらいだから、さ」
(家康は口では冷たいこと言うけど、信長様のこと、本当は大好きなんだよね、きっと)
「ふふっ、家康らしい贈り物だね。私も頑張って信長様を喜ばせるよ!」
「っ、ちょっと、そういうんじゃないって言ってるでしょ。人の話、聞いてる?」
家康の抗議の声を聞きながら、少しほっこりした気分で家康の部屋をあとにした。