第43章 決戦
息が出来ないぐらいに隙間なく唇を合わせて、深く貪るように口づけられる。
深く挿し入れられた舌が、口内を縦横無尽に舐め尽くしていく。
激しい口づけに翻弄されて立っていられなくなり、信長様に、くったりと身体を預けると、ちゅっと音を立てて唇が離れていった。
「っ…あ…はぁ…はぁ…」
頭が回らなくて、とろんとした目で見上げると、美しい顔に満面の笑みを浮かべる信長様と目が合った。
「やはり貴様は愛らしいな」
そう優しく言うと、いきなり抱き上げられた。そのまま、片手で器用に入り口の扉を開けて、歩き出す。
「えっ…やっ…信長さま?……どこ行くんですか?」
「湯浴みに行く。海の塩が、髪や身体に残っているであろう?…俺が洗ってやる。まぁ、その『どれす』とやらを身に付けた艶めかしい貴様は、もっと見ていたかったのだがな…」
「えええっ!洗ってやるって……一緒に入るんですか??いゃ…無理です…」
色々と想像してしまい、恥ずかしくて顔が熱くなってくる。
「無理ではない。何を今さら恥じらうことがある?貴様の裸など見慣れておる」
「うっ…そういうことじゃなくて…」
「文句は聞かんぞ。俺も汗や埃や返り血…戦場の汚れを早々に落としたい。奥方様は、当然、俺の身体を洗ってくれるであろう?」
ニヤリと口の端を上げて意地悪そうに微笑まれて、
(っ…そうだ、信長様は戦でお疲れなんだから、私がして差し上げなくちゃ…)
「は、はいっ!お背中、お流しします!」
「くくっ…頼んだぞ…」