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永遠の恋〜信長の寵妃【イケメン戦国】

第43章 決戦


夜の帳が下りる頃、私は商館の一室で一人、信長様の帰りを待っていた。今宵はここで休み、明日の朝、安土へ向かうという。
信長様は、軍議が長引いているのか、なかなか戻って来られない。

「……信長様…早く逢いたいです…」

円卓に顔を伏しながら呟いた、その時、部屋の外の廊下をこちらの方へ歩いてくる大きな足音が聞こえた。

足音とともに聞こえる、がちゃがちゃと武具が触れ合う音。ガチャンと物が投げ出される大きな音。

(ふふっ…この音…)


「朱里っ!戻ったぞっ!」

「信長様っ!」

扉を開けて入ってきた信長様は、すっかり甲冑を脱ぎ終わっていて……背後には、廊下に脱ぎ落とされた甲冑を慌てて拾い集めている小姓たちの姿があった。

「…信長様ったら…また、歩きながら甲冑を外して来られたんですか??」

呆れた声で言う私とは正反対に、当然だと言わんばかりの顔をする信長様。

せっかちな信長様は、安土のお城でも、戦から帰られるとすぐ、歩きながら甲冑を外される。ぽいぽいと手当たり次第に外していかれるものだから、お傍にお仕えする年若い小姓の子たちが、それを拾い集めていかないといけないのだ。

「そんなに急がなくても………」

「ふっ…貴様を待たせている時が惜しいと思い、急いで来たというのに、冷たいことを言うではないか…」

「あっ……んっ……ん」

信長様は私の顎を指先でクイっと持ち上げると、鼻先が触れるぐらいの距離まで近づいて、とびきり甘い声音で囁く。
空いたもう片方の手はいつの間にか腰の方へと回されていて、互いの身体がぴったりと密着するように引き寄せられていた。

「ん…信長さま…」

信長様の唇がゆっくりと近づいてきて、私の唇にそっと重なる。
チュッチュッと優しく食むように、何度も何度も重ねては離れていく、その触れ合いが何だか今日は少しもどかしかった。

(もっと…もっと深くまで奪ってほしい…)

思わず信長様の首に両腕を回して引き寄せると、自分から唇を合わせて深く重ねていた。

チュッチュッ チュプッ チュッ

僅かに開いた唇の隙間から遠慮がちに舌を挿し入れて、口内をクルリと舐め上げていると、いきなり信長様の舌が動いて、一気に絡め取られる。

「…んっ…ふぁ…ぁん…あっ…はぁ」



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