第41章 幸せな時間
広がった絵巻物には、なんと、男女がまぐわう閨の様子が赤裸々に描かれていて……
「っ…これは…」
ぴったりと繋がる男と女 恍惚の表情を浮かべて男の下で喘ぐ女
女の胸や割れ目 二人の結合部まで はっきり描かれている
また、別の絵では…男のモノを咥えて出し入れする女の姿や、女性の秘所が大きく描かれているもの、もあったり……
それはいわゆる『枕絵』というもので…私は実際に目にするのは初めてだったのだけれど…女性も嫁入り前に初夜の勉強として見ると聞いたことがある。
(まぁ、私の場合は必要なかったな…初めては嫁入り前に信長様に奪われたし…その後も色々と…)
と、信長様との数々の激しい夜を思い出して一人顔を赤らめていると……
「…朱里、これは…その…」
信長様がしどろもどろで何か言いかけているのが聞こえて、ハッと現実に戻る。
(妄想に浸ってる場合じゃなかった!なんで信長様が枕絵なんて持ってるの??何のために?)
「信長様!何故、こんなものを見ておられたんですか?こんな……恥ずかしいもの…」
「何を言う、枕絵は縁起がいいんだぞ。持ってるだけで子孫繁栄、武運長久ものだ」
(いやいや縁起って…そんなこと気にする人じゃないのに。まさかの開き直り??)
「縁起なんてどうでもいいです!妻がいながらこんなもの見るなんて…ひどいです!」
「待て待て、これはそういうつもりではない」
「…じゃあどういうつもりですか?…確かに最近はつわりのせいで夜伽はずっとおあずけでしたけど…今宵は久しぶりに…」
「…ん?何だと?」
「今朝の診察で、家康から夜伽のお許しをもらったんです。激しくしなければ、してもいいって……きゃあ!」
言い終わる前に抱き上げられていた。そのまま有無を言わさず寝所へと運ばれる。
「信長様っ!」
「枕絵の釈明はあとだ……今は…貴様を早く抱きたい」
深紅の瞳は欲に濡れて男の色気が溢れ出ている。その瞳に囚われたら最後、二度と離れられない。
「ん…私も早く貴方とひとつになりたいです…抱いて下さい」
信長様の首に腕を巻きつけ、その耳元で甘く強請ると、触れ合った胸元で互いの心の臓が『トクン』と跳ねた。