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永遠の恋〜信長の寵妃【イケメン戦国】

第38章 愛しき日々



「ふっ、幸せそうな顔で食いおって…そのように愛らしい顔を見せられると、今すぐ口づけたくなるわ」

「っ、ええっ…外ではやめて下さいね……」

(でもきっと、信長様は人前でも気にしないんだろうな…そういう強引なところも好きなんだけど…)

「でもほんと綺麗なお菓子でしたね!紫陽花かぁ〜本物も綺麗ですよね!特に、雨上がりのしっとりと濡れた紫陽花がいいですよね」

お城の庭の紫陽花を思い浮かべていると、信長様は何事か思案するような顔を見せて………

「そのように好きならば、盛りの時期になったら紫陽花を見に連れて行ってやる。城下から少し離れるが、近隣に紫陽花が美しく咲き誇る寺があるのだ」

「わぁ、ほんとに?嬉しいです!楽しみにしてますね!」

信長様とまた一つ約束事ができたことが、堪らなく嬉しい。
他愛ないことだけど、二人だけの思い出が一つ一つ増えていくことが幸せで…心地良かった。


茶屋を出た私達は、色々なお店を見て回ったりしながら時を過ごす。いつもの菓子屋さんにも寄って、金平糖も買った。
季節的には少し早いけど、青色や緑色が入った夏色の金平糖。
信長様はそれを二つ買ってお会計をすると、すぐに一つを私に渡してくれる。

「????信長様?」

「ふっ…口止め料だ。秀吉には内緒だぞ」

そう言うと、ニヤリと口の端をあげて悪戯な笑顔を見せる。

(ふふふっ…なんて可愛い人なんだろう…もぅ…ほんと大好き)

繋いだ手をぎゅっと握り締めて、信長様の腕にそっと身体を寄せる。少しの距離も離れていたくなくて…自然と身体が動いていた。

「…朱里?どうした?」

「ん…幸せだな、と思って。こんなにも愛しい人に、こんなにも愛してもらって…幸せです、私」

「…そうか。俺も貴様と同様幸せだが……まだまだ足りんな。今宵は、もっと貴様に幸せを味わわせてやろう」

今日は信長様のお誕生日なのに、こんなにも私が幸せな一日でいいのだろうか、と心配になる程に、満たされた時間がゆっくりと過ぎていった。

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