第34章 すれ違い
「………苦いな」
予想外の苦さに顔を顰める俺を見て、朱里が可笑しそうに笑う。
「うふふっ、信長さま、可愛い」
「貴様、よくこんな苦いもの、口にできたな…」
信じられない、という顔でまじまじと見る俺に、今度こそ声を上げて笑い出す。
「ふっ、ふふふっ、信長さまったら………
そんなこと……自分で仰らないでください。
…あぁ、可笑しい…ふふふ」
花が溢れるような笑顔を見せる姿に思わず見惚れるが、そのまま笑いが止まらない様子の朱里に痺れを切らして、ぐっと顔を近づけた。
「………笑い過ぎだ」
尚も笑い声を上げようとする口を強引に塞ぐように、口づける。
「んんっ、は…あ、んっ」
呼吸を奪うように隙間なくぴったりと唇を合わせて、互いに求め合う。
唾液を絡ませて互いの口内を貪り合う口づけは、どこまでも甘く甘美なものだった。
何度も角度を変えながら口づけた後、名残惜しげに唇を離すと、ツーっと銀糸が二人の間を繋ぐ。
「……信長さま、大好き…」
首に両腕を回して抱きつきながら、耳元で囁く。
「ん、俺もだ…愛してる、朱里」
朱里の腰を抱いたまま褥に座り、そのまま身体を後ろに倒す。
俺の身体を跨ぐ形になった朱里は、頬を朱に染めながらも、ぎこちなく胸元に唇を寄せてくる。
胸の先端を舌でチロチロと舐められて、くすぐったさに身を捩りながら、手を伸ばして朱里の秘所に触れる。
プチュッ クチュンッ
そこは既に溢れんばかりの蜜を湛えていて、呆気なく指を呑み込んだ。
「あっ、ひぃゃあん…」
「くくっ、もうぐちゃぐちゃだな。
ここも、随分と柔らかくなって…もう挿入られるか?」
再び硬さを増した一物に手を添えて、濡れそぼつ蜜口へと導くと、朱里はゆっくりと腰を落としていく。
グチュッ ブチュチュチュッ ヌププププッ
「くっ、はぁ…狭いな」
割れ目をこじ開けて襞を巻き込みながら、狭い淫路をゆっくりと進んでいくと、どんどん蜜が溢れてきて、繋がっている部分を濡らしていく。
「あっ、はぁ…」
奥まで全て呑み込むと、朱里は止めていた息を吐き出すかのように、一つ大きな吐息を吐いた。