第34章 すれ違い
「んんっ…うっくっ…はぅ…」
激しい腰の動きに翻弄されてしまい、舌を絡めることも出来ず、只々されるがままに口内を犯される。
開いた口の端から唾液と先走りが混ざり合ったものがトロリと流れ落ちるのを拭うことなく、恍惚の表情で見上げると、端正な顔を歪ませて快感に堪える信長様の姿があった。
「っ、くっっうっ…出るっ」
掠れた苦しげな声で言うと、限界まで膨張した一物を朱里の口から素早く一気に抜く。
抜いた瞬間、跳ね上がった一物の先から、ドバッと熱い白濁が放たれて、朱里の襦袢の胸元から首筋のあたりに大量にかかった。
白濁を放出した後もドクドクと脈打ちながら震える己の一物は、いまだ若干の硬さを残しており、まだまだ満ち足りていないようだ。
朱里は、何が起こったのか理解できていない呆然とした顔で、胸元に付いた粘り気のある液体にそっと触れている。
普段は自分の身の内に出される俺の迸りを初めて実際に見て、戸惑っているようだ。
勢いよくとんだ白濁液の一部は朱里の頬にもかかっていて、己の出した白い欲にまみれたその姿を目にした俺には、再び興奮の波が訪れていた。
「っ、すまん…汚してしまったな」
頬についた白濁を指で拭ってやりながら、つい今し方まで己の一物を咥え込んでいた愛らしい唇に、口づけを落とす。
「んっ…大丈夫です…」
「……脱がしてやる…立て」
言われるがままに立ち上がった朱里の、白濁まみれになった夜着の袷に手をかけて一気に開き、帯も取り去って、生まれたままの姿にする。
肌を隠すものがなくなって恥ずかしいのか、両手で覆い隠そうとするのを素早く制して、上から下まで舐めるように視線を送る。
「やっ…あんまり見ないでください……」
「ふっ、何を今更……俺は貴様の隅々まで知っているというに」
「……それは…そうですけど…」
「……此処も汚れてしまったな」
そう言うと、首筋に唇を寄せて、べったりと付いた白濁を舌で丁寧に舐め取る。
己の吐き出した欲を自ら舐める行為は、些か滑稽ではあったが、それすら気にならないほど、朱里が愛おしかった。