第28章 甘い夜
信長様は私を抱き上げ、足早に褥へと移動すると、優しくそっと私を褥の上に横たえさせた。
下から見つめる私の額にチュッと口づけを落として、着物の帯に手を掛ける。
シュルリと一気に帯を解かれると、着物も襦袢もあっという間に開かれて、信長様の前に裸体が晒された。
行燈の明かりだけが浮かぶ薄闇の中で、触れることなく私の身体をじっくりと見つめる。
(あぁ、早く触れて欲しい…
その大きな手で、私の身体に触れて…愛して……)
焦ったくなり、思わず身を捩って信長様の目を見つめて無言の懇願をするけれど、私の心を知ってか知らずか、一向に触れて下さらない……。
(どうしよう…見られてるだけで身体が熱くなって…こんなにも苦しいなんて…)
「朱里、どうしたのだ?そのように身をくねらせて」
口角を上げ、意地悪そうな笑みをたたえて上から見下ろされる。
「ふ…ぅ、ぁん…信長さまの意地悪っ」
涙目になって見つめる私を見て、信長様は益々嬉しそうに笑みを深めた。
「くくっ、どうして欲しいか言うてみよ。
上手く強請れたら、褒美をやろう」
(自分からおねだりするなんて…恥ずかしい。
でももう身体は信長様に触れて欲しくて我慢できなくなってる…)