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永遠の恋〜信長の寵妃【イケメン戦国】

第115章 紀州動乱


「お、御館様、まだ起き上がられては…」

「大事ない。俺はどれほど眠っていた?」

「三日ほどです。戦は我が軍が勝利。顕如は捕え、毛利、雑賀ら敵方は全て敗走致しました。今、この場に残っているのは織田の軍勢のみです」

目覚めた後、家康からも同様の報告を受けていた。だが、戦に勝利したと言われてもまるで実感がなく、他人事のようにしか思えなかった。

(此度もまた数え切れぬほどの敵を殺め、血に塗れたこの身体が今は何と頼りないことか…)

それでもこれ以上時を無駄にはできない。停滞は軍の士気にも関わるのだ。
信長は自らを奮い立たせ、両足にぐっと力を入れて大地を踏み締めた。

「皆を集めよ。軍議を開く」

「はっ!」


秀吉は短く返事をして天幕を出て行き、すぐに政宗、慶次、三成を伴って戻って来た。

「皆、揃いました。御館様」

「ああ…光秀はどうした?」

「は?……え?」

光秀は開戦前に信長から密命を受けて陣を離れていた。
単独行動はいつものことだが、どういった目的でどこへ向かったのか、知っているのは信長だけだ。

「光秀はおらぬのか?」

「光秀はまだ戻ってません。あー、その、光秀は御館様の御命令で動いてるんじゃなかったんですかね?」

慶次はちょうど光秀が信長から命を受けて出て行くところを見ていたこともあり、困惑したように信長の問いに答える。

「っ……」
(俺は光秀に何を命じていたのか…思い出せん。何か考えようとすると頭の中に靄がかかったように思考が定まらなくなる。忘れてはならぬ大事なことのような気がするが…)

「御館様?大丈夫ですか?」

辛そうに顔を顰め、同時に胸の辺りに手をやる信長の様子に秀吉は気が気ではない。
三日間眠っていたとはいえ、鉄砲傷が完全に癒えているわけではなかった。急所は外れていたが深傷には変わりなく、その状態で立っている信長の具合が案じられた。

「問題ない。各々、兵を纏めよ。直ちに大坂へ帰還する」

「ははっ!」

勝利の直後に大将が狙撃を受けたことで兵達の間にも動揺が広がっているだろう。
一刻も早く体勢を立て直し、この勝利を盤石なものとしなければならなかった。


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