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永遠の恋〜信長の寵妃【イケメン戦国】

第115章 紀州動乱


「家康様、信長様のご容態は…」

「遠方からの狙撃だったって聞いたぞ。急所は外れてたんだろ?」

「くそっ、俺がお傍を離れてた僅かの間にこんなことになるなんて…」

「落ち着けよ、秀吉。今更悔やんでも仕方ないだろ。今後のことを考えるのが先だ。戦はまだ終わってない」

「慶次…っ、そうだな。すまん、こういう時こそしっかりしないとな」

倒れた信長が運ばれた天幕の前に集まった武将達の顔は一様に厳しいものだった。
それはたった今、信長の手当を終えたばかりの家康もまた同様だった。

「弾は急所を外れてた。すぐに処置はしたけど、まだ意識は戻ってない。血が随分と失われたからね。後は信長様の体力次第だ」

「祈るしかねぇってことか…神頼みなんて柄じゃねぇけどな」

「秀吉さん、敵方の様子は?」

敗走していた敵方が信長が倒れたことで再び攻撃に転じる可能性があった。勝利を間近にしての突然の出来事に味方は動揺している。
今もし急襲されると大きく崩れる危険性があり、撤収どころではなくなるかもしれなかった。

「毛利も雑賀も攻めて来る様子はないな。どちらも戦場からほぼ離脱したんだろう。御館様のことを知られた気配もないようだ。こちらの勝利に変わりはない」

「撃った奴は?急所は外したとはいえ、あの距離から狙って来るとは相当の腕前だろう。おそらく雑賀の者だろうが」

「上手い手ですよね。銃弾一つで勝利に泥を塗ったわけですから」

「警戒を怠った私の失態です。申し訳ありません」

「三成が謝ることじゃない。けど、どうしますか、秀吉さん?信長様の意識が戻るまで俺達はここから動けなくなりました。本来なら出来るだけ早く大坂へ帰還し防御を固めたいところですけど」

此度、信長は大坂城に城代を置かず、あえていかにも手薄な状態で出陣している。
信長が狙撃されたことが知れ渡れば、下剋上を目論む輩がこぞって大坂へ攻め寄せるだろう。
兵達には箝口令を敷いているが、この場に長く留まれば情報が漏れるのは時間の問題だった。

「そうだな。一刻も早く戻りたいところだが、今は…」

秀吉は苦渋に満ちた表情を浮かべる。
今後のことは心配だが、信長の意識が戻るまでは迂闊に動けなかった。


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