第94章 聖なる夜の願い事
「っ…んっ…あぁ…はぁ…信長さまっ、もぅ…」
執拗なほど念入りに与えられる愛撫に、頭のてっぺんから足の先までグズグズに蕩けてしまった私は、深く重なり合った信長様の身体にぎゅっとしがみつきながら懇願する。
(もぅ…早く、信長様を感じたいっ…)
「もう…なんだ?はっきり言わねば分からん」
鼻先が触れ合うぐらいの距離で意地悪そうに囁きながら、すっかり硬くなった胸の尖りを、指先でキュッと摘み上げる。
「んっ…ンンッ!や、あっ…っ…」
「朱里…どうして欲しい?俺は貴様の口から聞きたい」
熱の籠った色っぽい声を耳奥に注がれて、肌がゾクゾクと甘く震える。
「言え、朱里。貴様は俺にどんな風に愛されたい?」
「あっ、んっ…そんなっ、あっ…」
熱い手のひらが、足先から太腿の内側へと滑るように擦り上がる。
太腿の奥の柔らかな部分を掠めるような手の動きに、お腹の奥がジクジクと疼き出してしまい、思わず身を捩る。
「…朱里」
言葉を促すように、尖らせた舌先で唇をツンツンと突かれる。
散々に焦らされた身体は、その些細な刺激にすら敏感に感じてしまい、求められるままに唇を開いてしまった。
「んっ…あっ…信長さま…もっと、触れて…もっと…深く感じたいっ…いっぱい愛して欲しい…」
「っ…朱里っ…」
言葉には不思議な力がある。
心の内に秘めた想いも願いも、口に出してしまえば途端に現実味を帯びる。
叶うかも分からない曖昧な願いも、言葉にすればそれが叶える力になり得るのだ。
(朱里の口から紡がれる言葉には、それがどんな些細な言葉でも俺の心を揺さぶる力がある。
どんな言葉も好ましい。全て…欲しい)
熱に浮かされたように緩く開いた愛らしい唇を、パクリと喰らうように塞ぐと、信長は自身の熱く滾った昂りを朱里の中心に当てがい、一気に泥濘の中へと突き挿れた。
ーぐちゅっ…じゅぶっじゅぶうぅ…
「ひっ…あぁ、うっ…やぁ…んっ!」
「くっ…うっ…」
挿れた瞬間、きゅうっと吸い付くように締め付けられて、信長は腰をズクリと震わせる。
腹の奥から湧き上がるような快感が、腰から背を駆け上がり、思わず息が詰まるほど気持ちが好い。
「くっ…はっ…はぁ…朱里っ…」
「ンンッ…はぁ…あっ…信長さま…」
きゅうきゅうと収縮を繰り返すナカの具合に抗うように、信長はグッと腰に力を入れて結合を深める。