第94章 聖なる夜の願い事
「信長様、愛しています。この先、未来永劫、私は貴方のお傍を離れません。最期の時も、あの世でも、生まれ変わっても…ずっと一緒にいます。っ……貴方と離れることなんて、私にはもう無理だから…だから…この先もずっと私を愛して…」
「っ…朱里っ…」
出逢ってから、信長様のことを知れば知るほど想いは強くなっていくばかりだった。こうして言葉にした今、その想いはより深く、重くなる。
「っ…あっ…信長さまっ…」
胸元に掻き抱くようにして強く抱き締められる。身体に回された信長様の腕は、力強く私を捕らえて離さない。
狂おしいほどの抱擁に、求められる幸せを感じて、堪らず私も信長様の背中にぎゅっと腕を回して抱きついた。
「愛してる…朱里」
心の奥底から湧き上がる朱里への愛おしさをそのままに、信長は愛の言葉を口にする。
『愛してる』
そんな言葉では足りないぐらい、どうしようもなく愛おしい。
身も心も、言葉までも奪っても、まだ足りない。
朱里への渇望は、生涯満たされることはないだろう。
(この女は本当に…俺の手に余る)
己の腕の中にすっぽりと収まる華奢な身体を、信長はゆっくりと寝台の上に組み敷いた。身体の上に跨り、見下ろしてみれば……
潤んだ瞳
ほんのり赤くなった頬
艶やかに濡れた唇
夜着越しでも分かるほど豊満な胸元
目に入るもの全てが扇情的で、情欲を誘う。
何度抱いても、またすぐ欲しいと思ってしまう。
満たされるけど満たされない。
(全く…愛とは厄介なものよ…)
「朱里…今宵も俺に全て寄越せ。貴様の身も心も…言葉も、全部俺のものだ」
狂おしいほどの独占欲に身を焼かれる思いになりながら、信長は愛しい女に深く身体を重ねていった。