第94章 聖なる夜の願い事
緩んだ腕の力は再び強められ、きつく抱き竦められる。
髪にふわりと口付けられて、熱い吐息がかかるたびに、眩暈がするほど気持ちが昂ぶる。
気が付けば、信長様の手は私の身体中をねっとりと撫で回していて、その巧みな愛撫であっという間に身体の奥に欲情の炎が点される。
(っ…朝からこんな…)
目覚めたばかりの信長様の切り替えの早さについて行けない。
(この状況に、ちょっとは戸惑ったりとかしないの? ていうか、いきなり、もう臨戦体勢なんですけど!?)
腰の辺りにグリグリと押し付けられる、硬いモノの感触。
夜着越しでも感じるぐらいに…熱い。
「ちょっ…なんで、もう勃って…」
「気にするな。いつものことだ」
「うっ…いつものって…」
思わず想像してしまい、恥ずかしくて顔に熱が籠る。
そんな私を見た信長様は、ひどく愉しそうな笑みを浮かべて耳元で意地悪に囁いた。
「当然、貴様が鎮めてくれるのであろう?昨夜は『おあずけ』だったからな」
言いながら尻の割れ目の辺りにググッと硬いモノを押し付けられ、ビクリと身体が震える。
その硬さと熱さに信長様の情欲を感じてしまった私の身体もまた、期待するかのように熱くなり始めていたのだが……それでも、なけなしの理性を振り絞って訴える。
「や、やだっ、もう朝ですよ!?ダメ、待って…もう、秀吉さんが来ちゃうかも…」
「諦めろ。こうなったら止まれん」
「ああぁっ……」
一晩寝て、すっかり疲れが取れた信長様が止まってくれるはずもなく……
昨夜の分も追加と言わんばかりの濃厚さで、秀吉さんが迎えに来るまでの時間、甘く激しく求められたのだった。