• テキストサイズ

永遠の恋〜信長の寵妃【イケメン戦国】

第94章 聖なる夜の願い事


「っ……」

(やだ…思い出しちゃった。信長様のカラダ、勝手に想像してドキドキするなんて…欲求不満みたいで恥ずかしい)

たっぷりと満たされたはずなのに、少し離れただけでもう恋しくなる。
信長様といると、私は際限なく貪欲になるらしい。

(っ…ダメだ、早く起きよう。いつまでも褥の中にいると、いやらしいことばっかり考えちゃう)

気合いを入れて寝台から身体を起こした私は、着替えるために夜着の前を開いた。

「あっ…やっ…」

露わになった裸体の、鎖骨や胸元に無数の紅い華が咲いている。
立ったままそっと足を開くと、太腿の内側、際どい部分にもいくつも紅い証があって……そこへ口付けられた時の甘い疼きが蘇る。

「っ…これ…どうしよう…」

白い乳房の上にくっきりと咲く紅い華に触れながら、朱里は困ったようにポツリと呟く。

着物を着れば隠れる所ばかりであるが、乳房に跡を残されるのは正直困る。吉法師に乳をやる時に、侍女達に見られるかもしれないと思うと恥ずかしいからだ。

(もぅ…ダメって言ったのに…)

悪戯っぽく笑う信長様の顔が浮かんで、小さく溜め息を吐く。

嬉しいけど、困る…
そんな複雑な思いに囚われながらも、夜着を脱ぎ着物を着付けていく。

着替え終わって吉法師の寝ている寝台を覗くと、まだ眠っているらしい。
ぷっくりした頬が愛らしくて、見ているだけで自然と口元が緩む。

産まれてふた月、まだまだ頼りないものだが、あやすと『あ〜う〜』と声を出して笑ったりもするようになった。

二度目の子育てだが、赤子の成長は新鮮で何度目でも驚かされる。
少しずつだが日々成長している姿に、母として何があってもこの子を守ってやらねばという思いが強くなる。


この子が大きくなる頃には、どんな世になっているのだろう。
戦のない世。身分に関係なく、誰もが思うままに生きられる世。
好きなことを生業にして、望む場所で生きられる世。

好きな人と愛し合い、夫婦になって、子を持って……

時には争うこともあるだろう。
誰もが同じ考え方であるはずはない。考え方は人それぞれで、違う思いがあるのは当然なのだ。

それでも、その違いを当たり前のものとして、互いに理解し合える日が来ることを願わずにはいられない。

生まれてきて良かった、生きていて良かったと、誰もが心から思える世になりますようにと……


/ 1937ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp