第92章 帯解き
「ぐっ…はっ…あぁ…」
何度も絶頂を繰り返す朱里のナカは、膨張する熱杭にねっとりと絡みついては精を欲して強く締め上げてくる。
軽く引き抜いては、ずっぽりと奥まで挿入する動きを繰り返していると、離れまいとするかのように入り口のびらびらが男根の根元に吸い付いてくる。
それが堪らなく気持ちが悦くて、腰がズクリと重く疼く。
ドロドロに泥濘んだ朱里の膣内は熱くて柔らかくて…それでいて強く激しく締めつけてきて…気を抜くとあっという間に精を放ってしまいそうだった。
「朱里っ…っはぁぁ…」
名を呼ぶ声は切なく掠れて、甘ったるい吐息とともに零れ落ちる。
久しぶりに挿入る朱里のナカは極上の心地好さで、信長の雄を激しく昂らせる。
少しでも長く朱里を感じていたくて、理性と欲望の狭間で葛藤を繰り返しながら、信長は徐々に迫り上がってくる吐精感に耐えていた。
(もっと…もっと朱里を感じたいっ…記憶の奥底に刻み込んで忘れられなくなるぐらいに…)
何度抱いても足りない。
何度目でも満足できない。
その時、その瞬間が、最高に幸福で満たされても、また次の瞬間には、もっともっとと際限なく欲しくなる。
朱里と過ごす満たされた幸福な記憶は、常に新しく上書きされて、より深く満ち足りたものになっていくのだ。
(あの夜感じたであろう至福を思い出せんのはやはり口惜しいが、それでも今この瞬間の方がより極上だと、躊躇いなく言える)
「んっ…はぁ…信長さまぁ…」
信長の下で既に何度も達した朱里はくったりと身体の力が抜けて、揺さぶられるままになっていたが、うっとりとした目で信長を見つめながら、その身体に頼りなく揺れる手を伸ばす。
そうして、フラフラと背中に回した両の手で、精一杯ぎゅううっと信長に抱き着いたのだった。
それはまるで、『離れたくない』というかのような必死さで……
「くっ…朱里っ…」
愛しい女の健気で愛らしい仕草に、信長の雄は欲を煽られ、我慢できないとばかりに限界まで一気に昂る。
(っ…もう…出るっ…)
背を駆け上がる、えも言われぬ快感に頭の芯が痺れ、腰が燃えるように熱くなる。
ぶるりと全身が総毛立つように震えたかと思うと、次の瞬間、最奥の深いところへめがけて熱い白濁が勢いよく放たれて…その何とも言えない開放感に、信長は身も心も満たされていった。