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永遠の恋〜信長の寵妃【イケメン戦国】

第91章 家族


そうこうしている間に、目覚めた吉法師がぐずり出したため私が乳を飲ませると、信長様はあっという間にむつきを替えて吉法師を抱き上げた。

「やっ…待って、信長様。私、大丈夫ですから…うっ、ゴホッ」

(あれ?おかしいな、喉まで痛くなってきたみたいな…)

「無理せず、大人しく寝ておれ。吉法師のことは案ずるな」

「そ、そんなぁ…」

一人置いていかれそうな気配に焦りが募る。

「心配せずとも貴様を一人にはせぬ。取り敢えず、吉法師を預けてくるゆえ、待っておれ。すぐ戻る」

宥めるようにそっと頬を撫でられて押し黙った私を置いて、信長様は吉法師を抱いてさっさと出て行ってしまった。

(嘘っ…本当に行っちゃった。預けるって誰に?吉法師っ…)

信長様は私がゆっくり休めるようにと気遣って下さったのだろうけど、まだ乳飲み子の吉法師と離れるのは辛かった。
信長様のことだから悪いようにはなさらないはずと頭では理解できても、我が子のぬくもりが突然離れていってしまったことに寂しさが隠せない。


「うっ…ゴホッ…ゴホッ…」

胸の奥から迫り上がってくる咳に咽せながら、寝台に横になる。
やはり熱があるのだろうか、先程起きた時よりも全身に怠さが広がっているようだった。

(う〜風邪なんて引いてる場合じゃないのに…)

堪えるようにギュッと目蓋を閉じると、いつしか眠気が襲ってきて……自分の意思とは反対に、私は微睡みの中へと落ちていった。








(ひゃっ…冷たっ…)

額に何か冷たいものが乗せられたのを感じて身体がピクリと震える。

(あ……私、眠って…んっ、冷たくて気持ちいい…)

額がひんやりと冷えていく心地良さで意識が浮上するが、身体の怠さは相変わらずで、寝起きの気怠さと相まって頭の中がまとまらない。
自分の状況がはっきりと分からないまま、うっすらと目蓋を持ち上げると……

「あ、起きたの?」

「いえやす……?」

ぼんやりと焦点が定まらない目に飛び込んできたのは、濡れた手を手拭いで拭っている家康の姿だった。

「………なんで?」

「それはこっちの台詞。朝っぱらから、信長様に緊急だって呼び出されて来てみれば、あんたが赤い顔して寝てるんだから…」

「ごめん……」

「疲れが出たんだね。風邪だと思うから、これ飲んで寝てなよ」


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