第88章 裏切り〜甘い香りに惑わされて
(っ…色っぽい…見てるだけで、私の方が感じてしまいそう…)
熱く滾った一物に舌を絡めながら、胸の高鳴りを抑えられない。
気持ち悦くなっちゃダメなのに…身体の奥がジクジクと疼いてしまうのだ。
「っ…はぁ…朱里っ…くっ…いいっ…」
口に含んだままで、裏筋を尖らせた舌でつーっと舐めると、信長様が余裕なさげな声を上げる。
(可愛いっ…もっと、もっと感じて、信長様っ……)
信長様が快楽に乱れる姿が愛おしくて、口を窄めて強めに吸い上げる。
ーじゅぼっ…じゅるじゅるっ…じゅっ…
口内に溢れた唾液ごと、じゅるじゅるっと吸い、硬く張り詰めた竿の部分を、歯を立てぬように唇でキュッキュッと締め上げた。
「ぐっ…ゔっ…堪らんっ…」
切羽詰まったような落ち着きのない声とともに、口の中のモノがググッと密度を増した。
「んっ…んんっ!?うっ、くっ…やっ…」
精が放たれる瞬間、モノを口内から引き抜こうと身動ぎかけた信長様の腰に離すまいと縋りつく。
「ゔぐっ…朱里っ、貴様、何を…あ"っ…」
ービュクッ…ビュルビュルッ!ビュウッ……
熱い迸りが口いっぱいに広がっていき、青臭い匂いが鼻を抜ける。
溢さぬように唇を窄めながら、最後の一滴まで搾り取るように根元から先へと吸い上げた。
信長様の腰がふるりと震える。
「はぁ…はぁ…っ…朱里っ、吐き出せ、早くっ…」
いまだ硬さの残る一物をズルリと引き抜きながら、私の顎に手をかけて焦ったように言う。
余裕なさげな信長様も、信長様が出したモノも、全てが愛しく感じられて、私はイヤイヤと首を振った。
「っ…馬鹿っ、飲むつもりか?そんなモノ飲んで、腹の子に何かあったらどうする?いいから、早く出せっ」
強い口調で言われ、懐から出した懐紙を口元に充てがわれて促される。
仕方なく口元を緩めると、懐紙の上にドロリと粘ついた精液が垂れ落ちる。
大量の白濁は、唇から糸を引くように垂れ、口の端を汚す。
(信長様の精…溢したくなかったのに…)
思わず、恨めしげな目で見上げると、私の口から垂れ落ちる白濁を黙って見ておられた信長様と、目が合ってしまった。
「っ…そんな目で見るでない。まったく…どこまで愛らしいのだ、貴様はっ…」
「えっ…んっ…んんっ…」
さぁっと顔を赤らめた信長様は、誤魔化すように、ふわりと私の唇に自身の唇を重ねた。