第88章 裏切り〜甘い香りに惑わされて
帯に手をかけ結び目を解くと、袷が緩んだ着物の裾を割る。
筋肉質で引き締まった足が露わになり、その男らしさにうっとりしてしまって、思わず内腿へと手が伸びていた。
足の付け根の部分を、優しくそっと擦る。
「うっ…はっ…あぁ…」
信長様は、仁王立ちした身体を微かに揺らしながら、気持ちよさそうに吐息を溢す。
下帯の前が不自然に盛り上がっているのが窮屈そうに見えて、そちらも解いてあげると、天を仰ぐほどに硬く勃ち上がった一物がぶるんっと勢いよく飛び出してくる。
「っ…あっ…」
(いつもより大きくなってる気がする…)
片手では握れないほどに膨れ上がった一物を、両の手で優しく包み込み、下から上へとゆっくりと扱き上げる。
括れた亀頭の先から、とぷんっと粘液が漏れ出るのを指先で掬い取り、硬い竿の部分へ塗りつけるように滑らせる。
手の平があっという間に粘ついて、動かすたびにニチャニチャといやらしい音を立てる。
「くっ、ふっ……はっ、あぁ…」
信長様の悩ましげな声を頭の上で聞きながら、片方の手で根元の部分をきゅっと握り、もう片方の手で上下に何度も扱き上げる。
「ゔっ、朱里っ…くっ、はぁ…」
快感を堪えるように抑えた喘ぎを漏らす信長様は堪らなく色っぽくて、見ているだけで私の身体も熱くなる。
擦るたびに手の中でビクビクッと震えて、歓喜の涙を溢れさせる一物を夢中で扱きながら、気がつけば私は信長様の足元に跪いていた。
大きく前に出たお腹がつかえて少し苦しいけれど、信長様にもっと気持ちよくなって欲しい一心で、腹に付くほどに反り返る一物にそっと唇を寄せた。
ーちゅっ ちゅぷっ ちゅううぅ……
「ゔっ…朱里、待てっ…」
余裕のない掠れた声で制止する信長様に構わず、私は膝立ちの姿勢のままで、亀頭の先に口付けた。
鈴口から溢れる粘液で、ぬるりと唇が滑る。
ちゅぷちゅぷと淫靡な水音を立てて吸い付くと、一物がビクンっと震える。
そのまま、先の括れた部分をぱくりと口に含み、舌先でチロチロと舐め始めると、口内に苦みのある独特の味が広がって…それだけで私もひどく興奮した。
頭上から、はぁはぁ…と荒く乱れた呼吸音が聞こえてくるのを、熱い昂りを咥えたままで見上げると、目を閉じて快楽の波に身を委ねるかのような信長様の姿があった。