第88章 裏切り〜甘い香りに惑わされて
愛らしい寝顔を覗き込んだ拍子に、チラッと見えた胸元に思わず釘付けになる。
夜着の袷がはだけて、豊かな谷間が垣間見えており、真っ白な肌が目にも眩しかった。
触れたい、と本能的に感じてしまい、無意識に胸元へ手が伸びるが、寸でのところで思い止まり、グッと拳を握り締める。
(っ…これは、思った以上に重症だな…朱里が足りん…)
自覚してみたところで、昂った感情が鎮まるはずもなく、それどころか益々熱く滾ってきていた。
痛いぐらいに張り詰めた一物は、もはや鎮めることも叶わず、ただ解放されることだけを望み、ひたすらに天を仰ぐ。
胡座を掻いたままで夜着の裾を割ると、軽く腰を浮かせて下帯を緩め、ぶるんっと勢いよく飛び出してきたモノを手の内に収める。
「っ…ふっ…」
外気に晒されてビクリと震えるのが心地好くて、抑えきれない喘ぎが小さく漏れる。
だが、すぐ傍で眠る朱里に気付かれぬよう、声を上げるわけにはいかなかった。
固く強張った一物を手の平でそっと包むと、先端からこぷっと音を立てて先走りの露が溢れ出る。
そのまま竿を伝って流れ落ちる粘液を擦り付けるようにして絡めると、手の平がねっとりといやらしく濡れそぼつ。
ーにゅるっ にちゅっ ぐちゅっ ……
(っ…くっ…ゔっ…)
反り勃つ一物を片手で握り、下から上へとゆっくりと扱き上げる。
上まで来ると、丸みを帯びた亀頭の先を指先でくるくると撫でる。
先走りの露ですっかり濡れた先は、ぬるぬると滑っていて滑りが良かった。
粘液を絡めながら、括れた部分を擦ると、ゾクゾクとした快感が背を駆け上がる。
(ゔっ…あ“ぁっ…はぁ…)
思わず声が出てしまいそうになるのを堪えて、グッと腰に力を入れた。
眠る朱里の様子をそっと横目で見て、その寝顔にさえも欲情してしまう。
(っ…朱里っ…)
頭の中で朱里の豊満な裸体を想像しただけで、一物は更に大きく膨れ上がった。
(はっ…愛しい女が眠るすぐ傍で己を慰めるとは…なんと浅ましい)
背徳感に苛まれつつも、朱里の寝顔を見ながら、更に激しく一物を扱く。
ーシュッシュッ…にちゃ にちゅっ…
ドロドロに蕩けた蜜壺に突き挿れるかのように腰を揺らしながら、痺れるような快楽の波に身を委ねる。
(っ…あぁ…もう…出るっ…)
ーびゅっ…びゅくっ…びゅるびゅるっ…