第85章 黒い影
下帯の結び目を緩めると、猛々しく反り返った男根がぶるんっと勢いよく揺れて露わになる。
ソレは既に、はち切れんばかりに膨らみ、硬直しているらしく、横になった信長様の足の間で、重力に逆らって上を向いていた。
両手でそっと包み込むと、熱い塊はビクンっと震えて、先からは物欲しげな涎を溢す。
ーにちゃっ ヌチュヌチュッ…
見る見るうちに、先から溢れる粘液で私の両手が滑り始める。
「っ……はっ、くっ…」
粘液に塗れた手で、硬い竿の部分をにゅるにゅると扱き始めると、頭の上で信長様の悩ましげな息遣いが聞こえてくる。
先の括れた部分を、指先できゅっきゅっと刺激していると、感じて下さっているのか、腰を揺らすようにグッと前に突き出される。
心なしか、昂りが手の中で質量を増したような気がした。
「んっ…信長さま…イイですか?」
「くっ…あぁ…いい…堪らんっ…」
溜めていたものを吐き出すように溢れる快感の声に、私の興奮も増していた。
(もっと…もっと感じて欲しい)
硬く張り詰めた昂りに触れたまま、寝台から身を起こした私は、信長様の足元へと身体をずらす。
「っ…ん…朱里っ…?」
目の前で怒張する信長様のソレは赤黒く、薄っすらと血管も浮いていて、今や興奮の極みにあるようだった。
ーぷちゅっ ちゅうぅ…
「うっ、あ"あ"ぁ………」
鈴口に唇を押しつけ、先から溢れる汁を優しく吸い取るように啜った。
独特の青臭い苦みが口内に広がり、それがまた私の頭を興奮で痺れさせる。
「んっ…ふっ…んっ…」
愛しい人のモノに口づけながら、思わず鼻にかかったような甘ったるい声が漏れてしまう。
ちゅっちゅっと、わざと音を立てて唇を付けたり離したり、を繰り返しながら、尖らせた舌先で雁首の部分をチロチロと刺激する。
「ゔっ…ぐっ…はっ、はぁ…」
抑えたような低く艶を含んだ喘ぎとともに、信長様の腰にグッと力が籠ったのを感じ、私は熱い塊をゆっくりと口内へ沈めていく。
全てを口内へ収めきることは難しく、根元の部分は両手で優しく包んだ。
「くっ…あっ…朱里っ…好い。貴様の口の中は堪らんっ…熱くて蕩けてしまいそうだ…」
「んンンッ……」
腰をグッと押しつけられて、亀頭の先が喉奥を突く。いきなりのことに咽せそうになるが、信長様の快感を邪魔したくなくて、湧き上がる唾をこくっと飲んだ。