第83章 心とカラダ
強引に歯列を割って入ってきた舌が、口内をにゅるにゅると舐め回し、呆気なく絡め取られた私の舌を強く吸う。
(うっ…朝からこんなに激しい口付け、気持ち好くておかしくなっちゃう…)
私の後頭部を支える信長様の大きな手は、力強くて逞しくて………んっ…あれ……?
「んんっーっ!のぶ、なが、さま…ちょっ…待っ…」
寝台の上で急にジタバタし始めた私に、信長様の手が僅かに緩む。
唐突に、ちゅっと音を立てて唇が離れていく。
(あ……離れちゃった…)
自分で制止しておきながら、いざ離れると一抹の寂しさを感じてしまうなんて、我ながら勝手だなと内心苦笑する。
「…なんだ、貴様、まさか本気で嫌がってるのか?」
信長様は不満そうな顔を隠さずに、指先で私の唇をプニっと押し潰す。
その子供っぽい仕草と、僅かに唇を尖らせた顔が、可愛くて堪らない。
(うぅ…その可愛さはダメ…心の臓に悪いよ………って、そんなこと考えてる場合じゃなかったっ!)
「んっ…やっ、嫌じゃ、ないですけど…あの、の、信長様っ、身体…身体は……!?」
「……は?あぁ……」
気怠げに身を起こした信長様は、寝乱れた夜着の襟元に手を挿し入れて胸板の辺りを確認しておられたが、ニヤリと口角を上げて私を見た。
「………ないな」
ほぅ…と思わず、安堵の溜め息が出る。
「あ、あのぅ…し、下の方は……?」
恥ずかしいけど、大事なことだし、早く確かめなくては、と恐る恐る聞いてみる私を見て、信長様は面白そうに口元を緩める。
そっちは触らずとも分かったのだろうか……信長様は確かめることもせず、何故か胸を張って答える。
「……自分で確かめろ」
「ええっ…やだ…」
何てことを言うんだ、と慌てる私にお構いなしに、寝台の上に胡座を掻いた信長様は、ニヤリと笑って夜着の裾をガバッと開いた。
「ひゃっ…ちょっ…待って…」
思わず両手で顔を覆ってしまった私は、信長様に見つからないように指の間から、チラチラとソコを見る。
胡座を掻いた足の間には、ググッと鎌首を擡げ、天に向かってそそり勃つ御立派なモノ。
「朱里…ちゃんと見ろ」
「やっ…んっ…意地悪しないで…」
顔を覆う手を無理矢理に引き剥がされて、背けた顔を強引に戻されて、ソレをしっかり見せつけられた。
「うっ…あぅ…朝からお元気そうで…何よりです…」