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永遠の恋〜信長の寵妃【イケメン戦国】

第83章 心とカラダ


「………信長様、出来ましたよ。目を開けて下さい」

鏡台の前に座る信長の背後から、その肩にそっと手を当てて朱里はゆっくりと声をかけた。


「ほぅ…これは、なかなかの出来映えだな。朱里、見事なものだ」

「い、いえ…(元々の素材がいいから……当然と言えば当然だよね)」


白粉を叩いた透き通るようなキメの細かい白い肌
薄めの唇にはっきり塗られた真紅の紅
元々の信長様の漆黒の髪と同じ、艶やかな長い黒髪の禿をつけた頭を軽く傾げて、鏡の中の自分を確認している姿


鏡の中で満足そうに微笑む信長様は、どこからどう見ても女性だ。
それも、かなりの美形。
元々の素材がいい上に、私が施した化粧がこれまた見事にハマってしまい、思わず目が釘付けになるほどの美女が出来上がっていた。


「っ…御館様っ…なんという…」

私が信長様に化粧を施す様子をハラハラしながら見守っていた秀吉さんだったが、出来上がった絶世の美女を見て感極まったようだ。瞳を潤ませて、今にも信長様に抱きつかんばかりに、ジリジリと距離を詰めている。


「………秀吉、近い、少し離れよ」

嫌そうに言い放ち、こっそり距離を取ろうとする信長様にはお構いなしに、秀吉さんは熱の籠った眼差しを向けている。

女化粧をした信長様の姿は、秀吉さんを益々興奮させてしまったようだった。


「さて、では着替えるか。さすがにいつもの俺の着物では拙いだろう。朱里、貴様の小袖を貸せ」

「は、はい…じゃあ、ちょっと取りに行ってきますから、待ってて下さいね」

「ん、頼む」


パタパタと階段を降りていく足音を聞きながら、信長は改めて鏡の中の自分の姿を見る。
深紅の瞳だけは変わらないが、妖艶な化粧を施された自分の顔は全く見慣れないものだった。
立ち上がって全身を写してみれば、豊満な胸にくびれた腰回り、形の良い尻と、我ながらなかなかの器量良しである。

家康は目のやり場に困って顔を伏せ、秀吉は熱に浮かされた者のように俺を仰ぎ見ている。


思いがけずこのような事態になったが、信長は自分のこの姿を存外気に入っていた。
家康の言によれば、薬の効果は今日一日だという。
ならばその間、存分にこの女のカラダを愉しんでやろうと、心の内は浮き立ってくるのだった。


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