第2章 由希センパイ、おしおきね。
ー裏話①ー
あの後由希はしばらく布団から動けなかった。
体中の力が入らなかったからだ。
「由希センパイ、大丈夫?」
「…大丈夫じゃないわよ。」
落ち着きを取り戻した由希はいきなり飛び道具を使われた事を思い出し、少し腹が立っていた。
「ごめんね、センパイ。もぅ使わないから。ごめんね。」
そう言いながら、力が入らず上手く服を着れない由希を手伝う様子が楽しそうに見えた。
「でも俺、センパイのきもちよさそうな顔、すげぇ興奮した。」
「うるさいっ」
服を着た由希を抱え、ソファに座らせる。
テキパキとシーツを外し、処理する成瀬。
動けないもどかしさと、自分の作ったシミを成瀬が片付けている、という状況がこの上なく恥ずかしかった。
「センパイ。」
「なに。」
「落ち着いたら一緒にお風呂はいろーね。」
「…。やだ。」