第5章 糖度:30%
俺は昔から、なんでもこなしてきたし才能にも恵まれたため、特に苦労はしてこなかった。
そしてそれは、これからも。
...なのに。
(クソ、俺が....
俺なのに、茅野にだけはどうしても調子狂っちまう)
誰にも負けたことないはずなのに、もちろん茅野にも負けたことはないのに
何故だか変な敗北感が常に、ある。
そして今日も、あのやりとりを通して不思議な敗北感を感じている。決して負けてはいないのだが。
(キスごときで照れるとかガキかよ
別に俺だからそんくらいよゆーだろうが!!
どうしたってンだよ俺ぁ、、!)
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そして今日も、気付かない。
...そう、彼は
"付き合う"という世間一般のステップをすっかり忘れてしまっているのである。
幼馴染として過剰なスキンシップが普通の認識で育ってしまった2人は、それが普通の異性間で行われることはない、ということに気付けていないのだ。